本当か?嘘か?あなたの判断で・・・・・
これは、ある男性が経験したという話し
その男は、ある避暑地のホテルマンとして働いていた
夜勤業務で、宿泊状況などから、自らの判断で仮眠をとっていた
ある夏の事・・・・・
宿泊客からの電話などもなく、とても静かな夜だった
仕事も一段落して、仮眠をとろうと事務所のソファーで横になった
しかし、この日の夜は、なぜだか暑苦しく、空気が重く感じた
いつもならば、窓を開ければ寒い位の夜なのに、暑苦しく、息苦しく寝付けないでいた
当然、仮眠なので熟睡などしない。でも、体を休めないと仕事に支障をきたす
何とか寝なければ・・・・なんとか、眠りについた・・・
どれ位だろう?ふと目が覚め起きると事務所に小学生くらいの小さい女の子が立っていた
『あれ?どうした?』
男が話しかけるも返事をしない
『こんな時間に勝手にでてきたら心配するよ。部屋に戻りな』
女の子はにこりと笑って手を差し出した
私はその手を取って部屋に連れて行こうとした
すると、事務所の入り口にお母さんらしき女性が立っていた
綺麗な女性だった
赤い口紅、長い髪、白いレースのドレス・・・・
『あ、お母様ですか?今お部屋にお連れしようと思っていたところです』
すると・・・・・・
女性がギラギラするほどの笑顔を見せる。
彼女の赤い口元は笑っているのに、恐ろしいほどの怖さを感じさせた
男が子供を渡そうとした時だった
激痛と共に身体が動かなくなった
『なに?どうした?なんで動けない?手も、足も、そして・・・言葉もでない・・・苦しい・・・』
子供と母親が並んで立って見えた
2人とも赤い口紅、長い髪、白いレースのドレス・・・
だ、だれ?なんで?
親子はず~っと笑っている、何かをするわけでもなく・・・ただ笑っている・・・声も出さずに・・・・
男は、こんなはずじゃない!気合いだ~!と気持ちを強く持った瞬間めが覚めた
夢か~・・・・でも何かおかしい・・・
金縛りになっていた
身体が動かない・・・・でも、目だけは動いた。視線を窓の方に向けると
白いレースのカ-テンが、強風にあおられて恐ろしい位にバタバタと揺れていた
声も出ない・・・でも、心の中で強く念じた
『負けるか~』
すると・・・・・・体が動いた、起き上がる事が出来た
男はすぐさま窓を閉めた・・・・・
事務所の書類が風で飛び散っていた
何だったのか・・・呆然としていた、と同時に恐怖を感じていた
そして、そのまま朝を迎えた
1人の女性従業員が事務所に入ってきた
『おはようございます!あれ?どうしたんですか?顔色悪いですけど・・・』
心配そうに男に声を掛けた
この女性とは何でも話せる仲だったので、昨晩の事を話した
すると・・・・
『お母さんと娘?白いドレス?・・・・・』
『なに?なに?』
『昔ね、霊感強いっていう人が働いていて、その人が言ってたんだけど・・・・』
『なにを?』
『いるらしい、ここに親子の・・・。昔、このあたりで・・・・』
男の背筋に冷たいものが流れた
『何かするってわけじゃないけど、波長の合う人には出るんだって』
それ以来、男は窓は開けずに仮眠をとったという
男は言う『綺麗な人だったけど、顔は思い出せないんだ。でも、あの赤い口紅の口元だけは今でも・・・・忘れたくても、忘れられない』
と・・・おわり
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